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    フィカス・ルビギノーサ “ユキ”
    [2018年07月10日]

    フィカス・ルビギノーサ “ユキ”





    小倉園が期待している、フランスゴムの新品種です。




    この品種、正真正銘のオリジナル品種です。



    小倉園で育てていたフランスゴムの木(フィカス・ルビギノーサ)から、偶然、突然変異で枝変わりしたものを、当園代表が見逃さず、その枝をうまく挿し木して、着々とその数を増やしてきたのです。



    元となったフランスゴムはこちら。





    この緑一色の枝から、





    こんな感じで、(実際はもっと上の方に出ていました)



    突然こんな綺麗な斑の入った枝が出てきたのです!!






    さて、増やしたはいいですが、これを売るとなると大変です。




    なぜなら、通常、新品種というものは市場に出回った瞬間、瞬く間に他の業者さんに増やされてしまい、希少価値も、品質だってあまりよくないものが大量に出回ってしまいます。




    珍しい品種ほど、「その時」は飛ぶように売れますから。




    なので、そのための措置、というのが実はあります。




    それが、「パテント登録」です。




    これをしておけば、少なくとも日本では、勝手にやたらめったら増やされることがなくなります。



    ですがこの、「パテント登録」、登録するのに非常に手間と時間を要するのです。



    色々な内部事情があったこともあって、これを取得するのにかなりの年数がかかってしまいました…




    最初は海外のことも視野に入れ、アメリカでパテントを取ろうと試みたのですが、これが非常に難儀で、作業が細かく面倒なものだったため、とりあえず日本でのパテント登録から行うことにしました。




    そしてついに今日!



    小倉園のオリジナル新品種、「フィカス・ルビギノーサ “ユキ”」のパテント登録の現地調査が行われました。



    この現地調査を行い、今年の12月ごろ審議が行われ、このまま順調にいけば来年の4月ごろには、正式にパテント付きの商品として、日本での出荷が可能となります。




    現地調査には、同じ年数をかけて育った10本の同一品種が必要となります。



    なのでそれを黙々と用意。





    調査員が、葉の採取や、木の採寸などを行います。










    …初めて見るので驚きましたが、そんなとこまで!?ってくらい細かく、細部にわたって調書を取っていました。










    ちなみに、このフランスゴム、実は斑が入っている品種は、以前からあるにはありました。



    それがこちら。







    フィカス・ルビギノーサ “ヴァリエガータ”と言います。



    「ヴァリエガータ」とは、「斑入り」という意味です。そのまんまですね。



    これはこれでなんと言いますか、芸術的な斑の入り方だと個人的には思うのですが、実はこの品種、決定的な問題を抱えているのです。



    それが、



    「少しでも暗いところに置くと、葉の縁から徐々に黒いシミが入っていく」



    ということ。



    なので、園芸店などで管理していてもすぐにダメになってしまうため、園芸店業界では、この品種は「欠陥商品」という扱いなのです。



    その点“ユキ”は、多少暗くても、葉の縁から黒くシミができることはありません。


    そのかわり、ずっと暗い部屋に置いていると、綺麗な斑が色落ちして緑色に近くなってしまうのですが…黒くなるよりはずっとましですよね笑






    こちらが、“ユキ”の枝変わりした枝から挿し木をした最初の一本。



    非常に大きくなっています。





    最初からずっと鉢で育てているわけですから、この太さに成長するまでどれくらいかかったのか…



    そして、この一本から徐々にその数を増やしてきたわけですから、そこに至るまでにかかった時間というのも、かけがえのないものがありますね。



    皆さん、植物を買われる方はあまり気にしていないかもしれませんが、我々生産者は、製品を一目見れば、そこまでいくのにどれくらいの期間と手間をかけて育てたのか、というのが大体わかります。



    やはり、きちんと時間と手間をかけて育て上げたものというのは、一目見ただけで「違う」と感じさせるような、オーラを放っています。



    しかし、経営の都合もあるため、このような期間と手間のかかるものばかり作っていても採算が合わないということがよくあります。



    そこは兼ね合いといったところでしょうか。



    出来るだけ手をかけずに、いいものができたらそれが一番なのですが…そうなったら、もはや沖縄などの亜熱帯地方に住むほかなくなってしまいますからね笑



    その点この品種は、葉の美しさと、小さい苗木での販売を目的としていますから、そこまで期間をかける必要はなさそうです。手間はかかるかもしれませんが。



    さて、そうこうしている間にも、どんどん作業は進みます。






    当園代表への聞き取り調査。








    なにやら、同じサイズの葉を採取して、並べているようですね。










    非常に細かく、葉の大きさを採寸して、記入していきます。






    わかりやすく説明するために、自分でも並べてみました!!






    こうやってみると、一目瞭然ですね!



    “ユキ”が「フィカス・アルテシマ」に非常によく似ているのもわかるかと思います。


    そしてその「葉の大きさの違い」も…



    そしてこの品種を世に出すにあたり、品種名も非常に頭を悩ませました。



    一度その品種名で取得してしまったら、もう後から名前を変えることはできないわけですからね…



    この品種は「黄色い斑」が特徴的なので、この黄色を前面に出した名前にするか、それとも全く新しい名前をつけるか…



    「黄色」というのは、モネやマネなどの作品にも多用されているように、古来から「幸せを表す色」として使われてきた歴史があります。



    ぜひ、この品種を買った人に幸せが訪れてもらいたい!!そんな強い想いがありました。


    最初は、



    「“モネ”でいいじゃない!フィカス・ルビギノーサ “モネ”。響きもいいし!」



    と、安易に決めていたのですが、人名などはパテント登録の許可が降りにくいことが後々わかり、また新たに考え直すことに。



    次に出てきた案が、



    「“フェリーチェ”ってイタリア語で“幸せ”って意味だから、これいいんじゃない?!フィカス“フェリーチェ”!買った人がみんな幸せになるよ!!」




    いい案だったのですが、現在「フェリーチェ」と名のつく商品が非常に多く出回っているため、新たにパテント申請をした時に許可が降りにくい、ということで、これもボツ。




    当園代表もネーミングセンスがあるとは言えませんが、少なからず案を出しました。


    「ユッキー・ゴールド」「ユッ黄」


    ……。。。



    いや、人のセンスですから、とやかくは言いません。ですが……う、うーん。



    どうやら、当園代表は、奥さんの名前の一部である「幸(ユキ)」という響きを使いたいご様子。たしかに、買った人に幸せが訪れそうですからね…笑




    なら、もういっそ、そのまんま“ユキ”にしてしまったらどう??




    ということで、紆余曲折ありましたが、無事に名前が決定したという次第です笑



    そんなこんなで、この品種ですが、このまま順調に審議も通り、パテントが降りれば、早ければ来年の4月ごろには市場に出荷できる見込みです!!しかし、その時までに売れるものが完成しない場合も考えられるため、もしかしたらもう少しかかるかもわかりませんが…




    皆さん乞うご期待!!と言ったところですね!!




    ぜひ、母の日などに、大切な人にプレゼントしてみてください!



    小倉園の願掛けも行なっていますから(笑)、きっと幸せ、訪れると思いますよ?(^ワ^)