マニアックな話になりますが、実はこの品種は、厳密に言うとオヒブランカではありません。
実の形が海外の図鑑に載っている本来のスペインのオヒブランカと異なり、葉の形や実の特徴などが同じスペイン原産の「ピクアル」と酷似していることから、「ピクアルが直立型タイプになった変異品種」であると考えられています。
世界中に2000種類以上あると言われるオリーブにおいてはよくあることなのですが、品種が同じでも地域によって呼び方が異なることもあれば、違う品種でも地域によって同じ呼び方をされたりと、品種に対する呼び名は様々で、それは古来からそう呼ばれてきたという歴史もあります。この品種も、その一例であると予想されます。もちろん「日本やオーストラリアで全く違う品種に適当に名前を付けられた」という可能性もありますが。
ちなみに、小倉園がスペインのコルドバ大学にDNA鑑定を依頼したところ、「DNAはピクアルと一緒であり、オヒブランカではない」という結果が出ました。
そんなこともあり、日本ではすでにこの品種がこの名前で一般的に流通していて、広く認知されています。
現在の日本で“オヒブランカ”というとほぼ確実にこの品種のことを指します。そして、品種の特性としても、丈夫で樹型が非常に整えやすく、大きくて美味しい良い実がなるので、オリーブ初心者の方におすすめできるとても良い品種なのです。
当園で新しく名前をつけるわけにもいかないので、今のところは、小倉園は今まで通り「オヒブランカ」の名前で販売していきたいと考えています。どうかご容赦いただければと思います。
マニアの皆様へは、マニア向けに本物のオヒブランカをイスラエルより輸入し、現在育成中です。時期が来ましたら、少数ですが販売できるかと思います。今しばらくお待ちください。